緑内障
緑内障とは
視神経の障害により徐々に視野(見える範囲)が狭くなっていく病気です。
初期の段階では自覚症状はほとんどなく、見えにくい場所が自覚されるようになった時はかなり進行した状態になっていることが多く、一度失われた視野の回復はできないため早期発見がとても大切です。現在の所、唯一の治療は眼圧を下げることです。
緑内障というと眼圧が高いというイメージがありますが、実際は眼圧が正常にもかかわらず緑内障という正常眼圧緑内障が、特に日本人の場合はほとんどを占めます。
眼圧は房水という目の中を循環する液体の産生と排出のバランスによって決まります。房水は毛様体という組織で産生され虹彩と水晶体の間を通過して前房に至り、線維柱帯を経てシュレム管から排出され、眼外の血管へ流れていくという定まった経路で循環しています。この房水の循環によってほぼ一定の圧力が発生し眼球の形状が保たれています。この圧力のことを眼圧と呼びます。
緑内障の分類
緑内障は大きく2つに分類されます。
1.原発開放隅角緑内障
多くの緑内障をこのタイプが占めます。
隅角(角膜と虹彩との間をなす隙間)と呼ばれる場所が広く開放されているタイプの緑内障のことです。上記でも述べましたように、日本人では眼圧が正常範囲内の正常眼圧緑内障が原発開放隅角緑内障のほとんどを占めています。線維柱帯と呼ばれる場所が原因ははっきりしていませんが目詰まりを起こし一般的には正常と言われる眼圧であっても当人にとっては視神経障害を起こす位の眼圧上昇を来しているために緑内障になっていると理解されています。
もちろん何らかの原因で目詰まりを起こし眼圧が正常眼圧よりもはるかに上回ることにより引き起こされる開放隅角緑内障もあります。
2.原発閉塞隅角緑内障
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狭隅角
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閉塞してしまう
隅角(角膜と虹彩との間をなす角)と呼ばれる場所が狭く、場合によっては癒着して閉塞してしまうタイプの緑内障のことです。房水の流出が阻害され眼圧が本来あるべき状態よりも上昇し視神経障害を引き起こすために起こる緑内障と理解されています。
眼圧は正常範囲内の場合もあり高い場合もあります。
検査
緑内障では眼圧検査、隅角検査、眼底検査、光干渉断層計(OCT)、視野検査を行い診断します。診断がついたら検査を定期的に行い進行経過を判定します。
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緑内障の眼底写真。視神経乳頭の陥凹拡大と神経線維の欠損を認める。
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緑内障の眼底写真。下方に乳頭出血を認める。
治療
緑内障の治療は現在の所、唯一眼圧を下げることです。一度失われた視野の回復は現在の医学では不可能とされています。治療の目的は視野狭窄の進行をできるだけ遅くすることであり、残念ながら失われた視野を取り戻すことではありません。とはいえ緑内障治療も日進月歩で進んできています。今後も進歩してゆくと思われます。人生100年時代と言われる現代、生涯にわたり視機能を維持するために緑内障と診断された時点で適切な加療を始め、そして継続することがなりよりも大切です。
治療には点眼療法、レーザー治療、手術があります。
点眼療法
ほとんどの緑内障では点眼療法が治療の基本になります。現在では様々な薬効を持った点眼薬が発売されており1種類の点眼薬だけでは効果が不十分と判断された場合には2種類場合によっては3種類、4種類と点眼薬を処方する場合があります。近年、なるべく点眼本数が少なくなるように2種の点眼薬を混ぜ合わせた配合点眼薬が相次いで発売され以前に比べ患者さんの点眼負担が軽減されています。
レーザー治療
レーザー治療には主に2つの方法があります。1つは虹彩(いわゆる茶目)に小さな孔を開けて眼内の房水の流れを変えるというもので主に閉塞隅角緑内障に対して行われる方法です。もう1つは線維柱帯に照射することで房水の排出を促進させるためのものです。現在はSLTとMLTという術式が行われることが多いです。
いずれのレーザー治療も外来にて数分で施行でき痛みもほぼありません。
手術治療
点眼治療やレーザー治療が功を奏さなかった場合に行われます。流出路再建術(トラベクロトミー)と濾過手術(トラベクレクトミー)があります。大まかに言って前者は進行度が中等度以下の緑内障に対して行われ、後者はかなり進行した緑内障に対して行われます。
院長:柳川 隆志 / 副院長:柳川 英里子/
診療内容:眼科
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